LUCKY WANDER BOY

ラッキー・ワンダー・ボーイ (ハヤカワ文庫 NV)

ラッキー・ワンダー・ボーイ (ハヤカワ文庫 NV)

『ラッキー・ワンダー・ボーイ』D・B・ワイス(ハヤカワNV)読了

任天堂出身のプログラマー、イタチ・アラキが作った伝説的ゲーム《ラッキーワンダーボーイ》。ほぼ到達不可能の隠しステージが用意されているというこのゲームの攻略に、アメリカのおたく青年アダムは青春のすべてを賭けた。恋も仕事も放り投げ、イタチが住むという日本の京都へと旅立ったのだが……はたして、幻のステージⅢに待ち受けるものとは? パックマンなど懐かしのゲームが満載のアメリカン・おたく・グラフィティ

という、文庫裏のあらすじに惹かれて読んだんだけど、
なんと言うか……なんなんだろうなぁ、この小説。
最後まで読むスピードが上がらなかった。


天使墜落 (上) (創元SF文庫)』、『暗黒太陽の浮気娘 (ミステリアス・プレス文庫―ハヤカワ文庫 (10))』に並ぶオタク小説を期待してたんだけど、全く違いましたわ。
面白いのかつまらないのかも、よくわからない。
というか、誉め所と貶し所が見えないんだよなぁ。
非常に変な感触。何か不安になる。レトロゲームのようにぴゅぅぅぅん〜〜〜と消える読後感。
題名どおり、延々と彷徨ってる(ワンダー)のかなぁ。
今まで見た来たものに例えるなら、『ジェイコブス・ラダー [DVD]』が一番近いかも? 
日本人の名前は、海外小説によくあるへんてこな名前ばかりなんだけど(イタチ・アラキってなんだよ)、
作者はかなりの日本オタクカルチャー通。
この辺のギャップから読み解いていくべきなのかな?


任天堂の山内社長ネタとか、所々に挿入されたレトロゲームネタがけっこう面白い。
パックマン』にそんな哲学的な意味ないよ(笑)
ダブルドラゴン』の考察はちょっと頷いちゃいました……って、ゲームオタクじゃないんだけど。


とにかく、変な小説でした。