Top 10 The Forty-niners

Top 10: The Forty-Niners (Top Ten)

Top 10: The Forty-Niners (Top Ten)

『Top 10 The Forty-niners』Alan Moore, Gene Ha (Dc Comics)読了


『TOP 10』シリーズの最新刊。


戦後間もない1949年、ネオポリス創生期の物語。
まだ人口は少なく、空を覆うような巨大な建造物もまだ造られていない。
ジェットラッドとして知られた若き英雄トレイナーは、戦争が終わって、
戦中に知り合った、レニ“スカイウィッチ”ミュラーとともにネオポリスにやってきた。
トレイナーは戦闘機チームのスカイシャークに整備士として仕事を見つけ、
レニはネオポリス警察で巡査となる。
しかし、警察は人手不足で、吸血鬼の組織的犯罪をなかなか取り締まれず、不要論まで出る始末。
さらに亡命してきたナチの科学者たちは、何やら怪しい動きを見せている。
さらにはスカイシャーク内にも……


これだけで独立してるから、問題なく読めるけど、
やはり、本編『TOP 10』を読んでからの方が楽しめる。
後の第10分署の責任者トレイナーが主人公。
まだガキンチョで、自信なさげにいつもおどおど。さらに女性と恋愛とに悩む。
ロビン“トイボックス”スリンガーの父親や、グロモルコなども登場。
ルーマーも出てきて欲しかったなぁ。


今までよりも短いため、同時に、いくつもの事件やエピソードが進む様はあまり重層的ではなくて、
ちょっと寂しい。


同性愛、吸血鬼、ロボットへの差別問題がテーマの一つ。
……なんだけれども、ちょっと描写が少ないような。
特に、バカにされ、のけ者にされるロボットへの偏見をもっと描いて欲しかった。
それとも、アメリカで読む分には、差別描写はこれくらいで十分なの?
ロボット差別は本編でもよく出てくるし。
新聞とかは飛ばしちゃってるんだけど、そこに書いてあるのか?
ニンニクの値段が上がったって記事はあったけど。


絵はGene Ha。
『Smax』の絵はちょっと好きになれなかったので、Gene Haに戻ったのは嬉しい。
昔の話と言うことで、カラーリングは落ち着いていて、けっこう好み。
ところで、4頁ばかし、クロ版が抜けてるっぽいところがあるんだけど、これ、印刷ミスだよなぁ。
領収書シュレッダーにかけちゃったし、読み終わったから、もういいけど。
なんか、Amazonで注文した洋書は印刷が変なことが度々ある。


キャラクターはまだそんなに多くないんで、本編ほど目移りしないんだけど、
市長がかなりイカス。この人、どうなったんだろ? 失脚したのか?
あと、犬のマスクかぶったレポーターがお気に入り。
人自体は少ないからモブでのお遊びもあまりないんだけど、
ロケッティアのヘルメット型のラジオはいいなぁ。


次は、『Smax』の5年後の話が出る模様。
TPにまとまるのは来年かな。


『TOP 10』シリーズ
Top Ten - Book 01

Top Ten - Book 01

Top Ten - Book 02

Top Ten - Book 02

SMAX

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