2005年8月号

今月は、毎年夏の恒例、幻想と怪奇特集
実はミステリマガジンを新刊で買うの初めて。
翻訳が多かったので購入。


・『夢の番人』……チャールズ・ボーモント
 偉大な博士とその助手。
 助手は全く研究を教えてもらえないのだが、
 その断片から、博士が発表しようとしている事実に気づく。
 それをやめさせようとするが……
 ノスタルジックなSF、という感じ。
 ボーモントの亡くなり方は、何度読んでも衝撃的。
・『独裁者の友』……エドワード・D・ホック
 アラモ砦を攻めあぐねる、サンタ・アナ。
 そこに、馬に乗った老騎士が現れ、攻め方を教えようと言ってきた。
 ショートショート
 個人的には、これが一番好き。
・『鏡像』……ロッド・サーリング&ウォルター・B・ギブスン
 長距離バスを待つ女性。
 そこに、自分と全く同じ姿、同じ行動の人物が見える。
 しかし、周りの人間は何も気づかない。
 はたして……
 ロッド・サーリングだし、もろに『トワイライトゾーン』な話だなぁ、と思ったら、
 ノベライズでした。
 放映時の邦題は「めぐりあい」
・『J=ラインに乗って』……ゼナ・ヘンダースン
 自然がなく、管理された未来。
 何もかもが嫌になったある日、トゥイストは交通機関のJ=ラインを適当に乗っていくと、
 着いた場所は、空も川も草木もあった……
 遠くに去ってしまったノスタルジーゼナ・ヘンダースンらしいSF。
・『バーニーが言わなかったこと』……デイヴィッド・J・ショウ
 チンピラのリフ。
 ボスのライバルは墓に埋められるとき、巨大なダイアモンドをつけたままらしい。
 それを掘り返してこいと命じられ……
 こちらは、『トワイライトゾーン』ではなく、『クリープショー』って感じかな。
・『魔法の国の女王』……アラン・ブレナート
 家出をしてきた老女。
 彼女はディズニーランドにやって来て、そこで暮らしたいと望む。
 物寂しい感じが何とも言えず、これも良かった。
・『ミント・コンディション』……ニーナ・キリキ・ホフマン
 シシーは、過去に跳び、そこでレアなアイテムを入手するのが仕事。
 今まで失敗したことがなかったが、いつも組まされるのは要領の悪い新人ばかり。
 しかし、彼女は、後催眠によっていいように使われ、
 その記憶を今まで消去されて来たことに気付く!
 ニーナ・キリキ・ホフマンはファンタジーのイメージしかなかったから、意外な感じ。
 向こうの女性作家が書く、タフガイな女性キャラクターは、いつも思うけど逞しい。


今月号はSFマガジン以上にSFでした。


ファイト・クラブ』の作者、チャック・パラニュークのインタビュウが面白かった。