『アフター0 Neo』

『すり替えられた記憶』


ホブソンは世界的投資銀行のオーナー。
彼は、6歳の時に父親をヨットから突き落としてしまい、それで殺してしまったという記憶があった。
何十年も、その悪夢に悩まされ、憔悴しきっていた。
彼の妻が、心理学者の元を訪れる。
彼女は、父代わりとなって彼を育ててくれた叔父が、財産目当てに殺し、
偽の記憶を幼い彼に刷り込ませたのではないかと疑っていた。
叔父は亡くなっていたが、確かに金の動きが怪しい。
催眠状態にし、記憶を探っていくと、それは事故だったとわかるのだが……


短篇ミステリとして、手堅くまとまっていたと思います。
もうちょい、ジャケットの存在のほのめかしをうまく組み込んだら、
絵の表現ならではのミステリとして完成度が上がったかも。
読者に気づく暇を与えてほしかった。
ただ、ちょっと『アフター0』っぽくないかなぁ。
理系・不思議成分があまり感じられなかったからかな。


それより、心理学者の助手を、もっと効果的に使って欲しかった。
徳川原萌えの自分としては、彼女の活躍を期待してたんだけどなぁ(笑)
ちょっと浮いてました。


なんか、いかにもシリーズ内シリーズのキャラっぽい雰囲気だけど、
また登場するのかな?