I, ROBOT

『アイ、ロボット』を見てきた。


SF者なら知らぬもののいない、アシモフの『われはロボット』この作品の魅力は、3原則が全てで、その中での知的パズル。ロジックで解決するところ。
さて映画は。


ロジックで……


ロジック……


パンチでした。


正直言って、SFアクションとしてもそれなりに面白かったと思うし、ウィル・スミス・フィクション(略してSF)としても及第点。ただ、頭にアシモフと三原則を掲げるとなると、あまりに陳腐。
というか、普通のロボット物。
陽電子コンピュータとか、そういう固有名詞だけアシモフ。個人的には、キャルビン博士は銀髪のばあさんのイメージだったから、なんか違う。悪くないんだけど。


■以下、ネタバレしちゃうかもしれないので、見に行こうと思ってる人は読まないで■


元々は違う映画として脚本が動いていたもので、それに題名をつけただけの、要するに冠映画。これなら、元の題名でよかったんじゃないの?


ロボットの反乱は別にいいんだけどさ、三原則破っちゃダメだよ。
命令とはいえ人間襲ったり、勝手に解釈して三原則の幅を変えたり、そりゃ、いかんでしょう。


岡崎二郎とか浦沢直樹の『プルートゥ』の方が全然、ロボットの進化、三原則内での遊びが上手い。
 
アシモフのロボットものだと、三原則は絶対で、破っていたり、異様に見えても、それは人間がそう見えているだけで、実はちゃんと原則に支配されているのが面白いんだけど、この映画にそんな高尚なものありゃしない。
まぁ、ウィル・スミス映画としてはいいんだろうけど。
ロボットより早く走って、パンチでロボット壊すからね(笑)


決してつまらなくはなかったよ。
アシモフのことを忘れれば。
監督は『鋼鉄都市』も撮りたいとか言ってるけど、やめたほうが……