THE SHAPE-CHANGER'S WIFE
- 作者: シャロンシン,Sharon Shinn,中野善夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 文庫
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プラチナファンタジー第1弾!
最初は古本で買うつもりだったんだけど、
3弾目から新刊で買い始めたので、こちらも新刊で。
シャロン・シンの作品はこれが初訳かな?
優秀な若き魔法使いオーブリイは、世界一の変身術師グライレンドンに弟子入りする。
そこには、リリスという、グライレンドンの若い妻がいた。
魅力的だが、全くの無表情。
厳しく、家を空けがちの師匠のもとで、変身術を覚えて行くオーブリイ。
そんな中、彼は徐々にリリスに惹かれていく。
そして、無感情な彼女も少しずつ変わっていくが、
オーブリイは彼女の正体と、グライレンドンの冷酷な人間性に気づく……
プラチナファンタジーの刊行は、
今現在のファンタジーがほとんどエピックファンタジーやヒロイックファンタジーであることに対して、
ファンタジーの多様性を紹介する、という感じで始められた。
その割りに、第1弾はけっこう普通のファンタジー。
というか、昔のハヤカワFTにありそうな作品。
オーソドックスだけど、それゆえしっかりとファンタジーを読んでいると言う満足感。
変なアレンジなく、真っ当に中世ヨーロッパ風の世界。
何より、森の情景と存在感が素晴らしい。
やはりファンタジーは森だよなぁ。
昔話なんか見ててもわかるように、和製ファンタジーだと、なぜか森は重要視されない。
中世ヨーロッパ風ファンタジーなら、森を描かないとね。
魔法理論は現在のファンタジーっぽく、ひじょうに科学的。好み(笑)
エピローグがかなり好きで、ファンタジーのエピローグとしてはお手本かな。
渋いナレーションが聞こえてきそう。
なかなかオススメ。