壁の中のオオカミ
The Wolves in the Walls (New York Times Best Illustrated Children's Books (Awards))
- 作者: Neil Gaiman,Dave McKean
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: ハードカバー
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『The Day I Swapped My Dad for 2 Goldfish』に続く、
ゲイマン&マッキーンのゴールデンコンビによる絵本。
絵本なんで、さすがに早く読めた。
字少ないし(笑)
さてあらすじ。
ある日、ルーシーは家の壁の中から物音がするのに気づきます。
壁の中にオオカミがいる! と家族に言っても、
それはネズミか何かで、そもそも壁からオオカミが出てきたらみんなおしまいじゃないか、
と本気にしてくれません。
しかし、ある晩、ついに壁のオオカミが出てきたから、さあ大変。
一家は庭に逃げますが……
まさにシュールな世界。
日本のは読まないからよくわからないけど、
海外もののジュヴナイルは、日常と狂気が地続きの世界がよく出てくる。
この作品では、文字通り壁一つ隔てた向こう側に、それが存在している。
夢なのか妄想なのか、
最初、ルーシーは真実を知っているのに、家族から変な目で見られているけど、
ラストは読者も彼女の行動に何か異様なものを感じずに入られない。
『The Day I Swapped My Dad for 2 Goldfish』と同じように、ラストに不安が残る。
怖いとか気持ち悪いじゃなくて、不安な話なんだよね。
これ、ホントに子供向きか?(笑)
ゲイマンの思い描く悪夢の世界を見事に形作っているのがデイヴ・マッキーン。
この絵の説得力は強烈。
コラージュってあまり好きじゃなかったんだけど、マッキーンで目から鱗。
自身が描く絵自体もいいしね。
さて、わからなかった言い回しとかはさすがになかったんだけど、
この話のツボになっている、
「If the wolves come out of the walls, then it's all over」って、なんか成句?
それと、『The Day I Swapped My Dad for Two Goldfish』にも出てきたんだけど、
「queen of melanesia」って、意味あるの? それとも直訳でメラネシア女王でいいの?
個人的には『The Day I Swapped My Dad for Two Goldfish』の方が好きだけど、
こちらもオススメ。