『SFミステリ傑作選』



『黒い時計の旅』が読んでいる途中で行方不明になったので、『SFミステリ傑作選』読了。
20年前に出た本の感想ってのもなんだけど。


アイザック・アシモフの『ミラー・イメージ』が一番面白かった。
何世紀も生きた数学者と新鋭数学者。お互いが自分の発見した理論を相手が盗作したと言い合っている。
助手ロボットも全く同じ。
本人に会うことはできず、ロボットと映像を通しての尋問でベイリは答えを見つけられるのか? 
ちゃんとロボット三原則を使っての論理ゲーム。こう言う知恵比べはやはり上手いなぁ。『鋼鉄都市』シリーズ読もうかな。
ところで、ウィル・スミスが『I, ROBOT』の映画に出るんだけど、刑事役って、どう考えても『鋼鉄都市』だよね。


それから、アンソニイ・バウチャーの「ピンクの芋虫」はSFミステリと言うより、怪談みたいだった。
保険調査のため南米の村に出向いた主人公。死んだ男の肩書きが医者ではないのにそうなっていたため、調査に出たのだ。
特に怪しいところはないのだが、ただ骸骨が……


それから、ランドル・ギャレットの『重力の問題』。
ダーシー卿シリーズ。魔法が存在する、もう一つの現代の物語。
このシリーズの魅力は、魔法の仕業のように見える犯罪を、実は魔法ではない方法で行われた、と解き明かすところ。
それでいながら、ちゃんと魔法の見せ所がある。雑誌版と未訳をまとめて出してくれんかなぁ。
で、『黒い時計の旅』は車の中にありました。