本の殺人事件簿

『本の殺人事件簿 1・2』シンシア・マンソン編(バベル・プレス)読了


聞いたこともない出版社だったけど、
稀覯本・作家・古本屋・コレクターを題材にしたミステリアンソロジーと書かれては、
買わずにすますわけにはいきませぬ。


珍しく新刊で購入。
この題名なら気づきそうなものなのに知らないと言うことは、古本屋では見かけたことがないんだろう。


言いたいことはあるんだけど、とりあえず面白かったのは
『作家とは……』ロバート・セネデッラ
『ハラルド警部補と「宝島」の謎』マーガレット・マロン
『大いなる遺産のゆくえ』ジョン・ネルソン
『竜の頭の謎をめぐる知的冒険』ドロシー・L・セイヤーズ
ダシール・ハメットを探せ』ウィリアム・ブリテン
『チズリルグ卿の遺産』ロバート・バー
あたり。


ほとんど、宝捜し系だな。 
と言うか、何かを探し出す、というテーマが多かったような気がする。
本がネタになるとどうしてもそうなるのかな?
特にセイヤーズは気に入ったので、ピーター卿シリーズを読もうかと思う。


でね、この本の特徴は、プロの翻訳家ではないということ。
翻訳ワークショップの高成績者の手によるものなのだ。
翻訳がどうとか言えるほど語学堪能ではないけれど、なんか損した気分。
実際、どことなく薄味な感じがした。ミステリ翻訳のお約束みたいのが分かんないんだろうね。
これをSFでやったら大層イタイことになってた予感(笑)