A TROUBADOUR'S TESTAMENT

『吟遊詩人マルカヴリュの恋』ジェイムズ・カウアン(草思社)読了。
前回読んだ『修道士マウロの地図』と同じ作者の、歴史哲学ミステリー。

謎多き吟遊詩人マルカヴリュの誄辞が川の中から発見される。
誄辞というのは故人の追悼文のようなものを書いてもらうために各地をまわって集めたもので、
マルカヴリュの誄辞はアメデという尼僧に宛ててのものだった。
尼僧は異端のカタリ派だったのか? 二人が求めた愛の形とは? なぜマルカヴリュは誄辞を川に投げ捨てたのか? 
その謎を解こうと、マルカヴリュ研究者の主人公は、彼のたどった旅と思考をなぞってゆく……

『修道士マウロの地図』がマウロの書いた日記の訳という形だったのに対して、
こちらは現代の主人公が誄辞を読みながら、その道筋をたどって様々な人々に出会うというもの。
誄辞は巻物なので、開いて最初が一番最後に書かれたもので、そこから遡ることで、死んだ尼僧の真実に近づくという寸法。


まー、つまらなくはなかったんだけど、オススメかというと、うーん。
俺が読みたい歴史ミステリではなかった。