THE DARK LORD OF DERKHOLM

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『ダークホルムの闇の君』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ創元推理文庫F)読了。

エルフやドラゴン、魔術師にシーフ、傭兵達のいるファンタジー世界ダークホルム。そこを、別の世界からやってきたチェズニー氏が観光地化してから40年。毎年悪の闇の君が選ばれ、観光客の巡礼ために冒険物語を演じさせられつづけている。チェズニー氏には魔物がついているらしく、ダークホルムの住人達は強制的に戦いをやらされ、町は荒れ果て、本当の死者まで出ている。しかし、ついに対抗するため、魔法大学の学長ケリーダは手段を考える。神託によって選ばれた今年の闇の君は遺伝子工学魔法以外はてんでダメな魔法使いダーク。彼と彼の家族、そしてダークホルムの運命をかけた巡礼が始まる!

D&Dな世界の人々は、現実世界の人間達にこんなに苦労させられている、というのを書きたかったのかな。
名作ゲーム『MOON』とちょっと似てるね。


面白かったんだけど、キャラクターが多すぎて今一つキャラクターの書きこみが足りない気がする。
ジョーンズ特有の気違いじみた子供たちも出てこないし。気違いじみた競走は面白いけど。
前半はこの壮大なファンタジーごっこの準備、後半は観光客達の様子、という二部構成。
これはもっと書いて、上下巻の方が面白かったんじゃないかな。
ただ、それを補うのがダークの子供とも言える5匹の喋るグリフィン。
これがかなりかわいい。どうやら、2巻はこのグリフィン達の話の模様。これは楽しみ。


ファンタジーとしてはそれなりだけど、ジョーンズものとしては一味足りない。