放浪の天才数学者エルデシュ

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『放浪の天才数学者エルデシュ』ポール・ホフマン(草思社)読了。


数学界じゃ伝説的有名人らしいけど、この本を読むまで全く聞いたこともなかった。


ハンガリー出身の数学者。
家は持たず、収入は他人にあげてしまい、旅行鞄とスーパーの袋だけを持って世界中を放浪した天才数学者。
生活的なことは自分ではほとんどやろうとせず、1日19時間数学をやり、人に触れられるのを嫌ったが、子供はこよなく愛した。


なんか、「おむすび」という言葉を連想してしまいそうだ(笑)1500近くの論文を残しているそうだ。
このエルデシュの人生を軸に、彼に関わる数学者や数学史上重要な数学者のエピソードを織り交ぜて著されている。
あまり数式も出てこないし、非常に読みやすい。
フェルマーの最終定理』(サイモン・シン/新潮社)と似てるし、事実、『フェルマー』の主人公ワイルズも出てくる。
あちらが数学者の天才振りがメインなら、こっちはなんか奇人振りばかりに目が行った(笑)
面白かったんだけど、イマイチ、エルデシュの凄さが伝わってこなかった。
でも、オススメ。


もし、魔法使いが主人公のファンタジーでも書こうと思っている人がいるなら、ファンタジー系のガイドブックなぞ読まないで、これと『フェルマーの最終定理』を読むことを強く推す。
その天才振りも奇行も、フィクションの魔法使いなど霞んでしまうほど凄い。
実際、呪文を探しているようなものだ。