パラノイアに憑かれた人々〈上〉ヒトラーの脳との対話

パラノイアに憑かれた人々〈上〉ヒトラーの脳との対話

パラノイアに憑かれた人々〈下〉虫の群れが襲ってくる

パラノイアに憑かれた人々〈下〉虫の群れが襲ってくる

ヒトラーの脳との対話』『蟲の群れが襲ってくる』ロナルド・シーゲル(草思社)読了。


なんだか物凄い題名だが、これは著者が実際に出会って来たパラノイアの人々の物語。
よく、妄想ネタで虫が見えるってのはあるけど、『Aチーム』のモンキー程度なんぞ、ペーペーパラノイドだ。
実際に見えちゃう人は、体に潜りこんだ虫を取るために顎の骨が見えるほど皮を剥いじゃったり、
逃げ出しやすいように体中に剃刀で切れ込みを入れたりと痛そうなことこのうえない。
結局、虫がいなくなることはなくて、共生の道を選ぶようになるらしい。


いろんなパラノイドが出てくんだけど、
面白かったのは個人用人工衛星が見張っているというIQ165の博士の話。
その博士が頭に送られてくるという謎の写真の正体がわかったときは中々興奮した。


それと、恋愛妄想の女性。
今までは恋愛妄想は気持ち悪いと思ってたけど、本人の目から見るとかなり哀れ。
自分は相手のことが好きでたまらず、また相手も自分のことを好きなはず(彼女の中では)なのに、
どうして彼はこちらを向いてくれないのだろう、と言う状況は悲惨だ。


この手の話に興味がある人には、読みやすいしオススメ。