台所で紅茶を探していると、棚の中に奇妙なものが詰まった瓶を見つける。


たいてい、ここで好奇心で手に取ると、いきなり中身がうにょうにょと動き出し、
驚いて落としちゃって下水道にそれが逃げてく……てのがパターンだけど、
残念ながらそれはなかった。


中身はすぐわかった。しかし、その外見はまるで理科室にありそうな代物だ。


以前、うちで毎年梅干を作っていた。
ある年、他のものよりもさらに乾して、からからにしたものを作った記憶がある。


外見は塩の塊のようになり、ほとんど人間の食べ物とは思えないような物体に……
それが瓶に入っていたのだ。
たぶん、十年近くたっているような気がする。
見た目は白い毛が生えているようで、塩が完全に結晶化している。
ここはやはり食べなくてはなるまい(笑)


恐る恐る口にすると、それは!
梅味の塩だった……